0じゃない可能性を見つけるブログ

挑戦する事の意味を考えること

孤独感に襲われたときにみたいシザーハンズ

かなり昔の映画ですが,私にとっては感想が止まらない映画です。ストーリー的にはありきたりの内容です。お化け屋敷のようになっている古い屋敷に人造人間が住んでおり,完成間近だったため,両手がハサミでできているというものです。一見化け物ですが,心は優しく,ある女性に気に入ってもらえ,下界で生活。評判はうなぎのぼりですが,それを良く思わない輩の企みにより,その場を追われるという物語です。

 

人間誰しも、自分だけが孤立してしまうような孤独感に襲われることがあると思います。この主人公はまさにその人です。しかし,自分に与えられたことを着実にこなす中で偶然が幸運を呼び寄せるのです。私達にも同じことが言えるのではないでしょうか。悩んだ時や困った時に,周りのせいにするのではなく,今の自分にできることを堅実にこなしていくことで道が開けるのだと思います。何が原因で入院になっているのか,それは人それぞれですが,そこを恨むのではなく,そんな弱った自分にでも出来ることと言うのがあるはずです。これをこなしていくことで新しい何かが開けるのだと思います。
 ストーリーでは最後、罠にはめられてしまった主人公は逃げるように屋敷に引きこもってしまいます。一見バッドエンディングのようですが,何年経っても街の人は主人公のことを覚えていました。それに応えるように,氷の彫刻を行い,街に雪を降らせるという感動でした。結局1人ぼっちで屋敷に戻ってしまいましたが,その表情は決して悲しそうではありませんでした。自分のことを覚えてくれている人がいることで心のつながりを感じ、街の人たちもまた,そのつながりを大切にしているような気がしました。入院されている方がもし身寄りの無い方だとして,治療に携わる方々もまた心のつながりを持っていると思います。

 


登場人物は少ないのですが,純粋な心から妬みひがみまで人間の心が生き生きと描かれているとうに思います。見ていて飽きず,非常に美しい作品です。主人公は人造人間ゆえ,表情はありません。それでも「幸せそうだな」「悲しそうだな」「怒っているな」ということがよく分かります。下手な演技よりもよっぽど思いが伝わってきます。
『生きる感動を味わえる作品』というよりは『心のつながりを目の当たりにして,自分の心が豊かになる作品』であると思います。"