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0じゃない可能性を見つけるブログ

挑戦する事の意味を考えること

20歳の時に管理人のご夫妻に助けてもらいました

随分と若いころの話なのですが、私は当時付き合っていた人から酷い暴力を受けたことがありました。

 

彼氏はもともと血の気の多い人だったのですが、その日の彼の暴力は凄まじく、私は命の危険を感じて彼のマンションを裸同然で逃げ出しました。というのも彼は私を部屋から逃がすまいとして、玄関先で私の服をはぎ取ったのです。

 

私は下着1枚の格好で部屋を飛び出して、1階にある管理人さんの部屋へと逃げ込みました。「すいません、助けてください!」裸同然の格好をした私を見て、管理人さん夫婦は慌てて私をかくまってくれました。

 

管理人室は4畳一間で、そこでご夫婦はつつましく暮しているようでした。「何があったの?」管理人の奥さんはとにかく何か服を着なさいと洋服を貸してくれて、温かいお茶まで出してくれました。ご主人は管理人室のドアの鍵をしっかりとかけて、廊下側の窓もカーテンもしっかり閉めて、中が見えないように私を守ってくれたのでした。

 

管理人さんの言葉によると、「私も色々な男を見てきたけど、彼女さんにこんなことするなんてあまりにひどすぎる」そう言って文句を言いに行ってやると言ってくれたのですが、私は彼とは別れるつもりなので、あまり事を大きげさにしないでほしいと頼みました。

 

私はその管理人室に逃げ込みながらも、彼氏がいつ私を探しに来るのかとはらはらとして、ずっと体の震えが止まりませんでした。

 

管理人さんは私の震える肩に優しく手を置いて、「こんな若い御嬢さんに手を上げるなんてなんて男だろう。怖かったろうに、寒かったろうに」と言って、ずっと私の背中を温かい手でさすってくれていました。

 

私はそれまでの人生で、世間の人間なんてだれも信用していなかったのですが、見も知らぬ他人の私にこんなに温かい手を差し伸べてくれたご夫婦に、ポロリと涙が溢れてきて止まらなくなりました。「帰りのタクシー代はあるの?少しならお金を貸してあげるよ」そう言って奥さんは私に2千円を貸してくれました。

 

「洋服もありがとうございました、クリーニングに出して必ず返します」私はそう言ったのですが奥さんはいい人で、「その服はもういらない服だから返さなくてもいいよ、とにかく彼とは別れて、なるべくこのマンションにはもう近づかない方がいいよ」と言ってくれました。

 

こんな見ず知らずに私を助けてくれて話まで聞いてくれて、本当に優しくて親切なご夫婦でした。

 

今私が健在でいられるのは、あのご夫婦の優しさで守ってもらえたからこそだと思っています。